最近「脳を鍛える」といったゲームとか本とかがブームになっているようです。
以前脳力判定で「脳の老化が進んでいるようです、頭を使う時間が人並みより少ない生活を送ってはいませんか?」といわれた(コンピュータの反応速度診断)不肖コンヤではありますが、実は日々「脳力アップトレーニング」を課しております。
「脳を鍛える大人の音読カレンダー」、日めくりで日本の文学作品を音読しましょう、という趣旨のもの。
集合住宅住まいなので「音読」は控えておりますが(ホントはこれが肝なのだけれど)、毎日トイレの中で名作のひとコマを読むのはなかなか楽しいものです。
で、昨日のお話が夏目漱石の「草枕」でした。
山路を登りながら、こう考えた。
智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。
住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生れて、画が出来る。
人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない。やはり向う三軒両隣りにちらちらするただの人である。ただの人が作った人の世が住みにくいからとて、越す国はあるまい。あれば人でなしの国へ行くばかりだ。人でなしの国は人の世よりもなお住みにくかろう。
越す事のならぬ世が住みにくければ、住みにくい所をどれほどか、寛容て、束の間の命を、束の間でも住みよくせねばならぬ
有名な冒頭の一文です。なんというか、世の中のあらゆる「人生相談」とその「回答」がこの短い文章に凝縮されているような。
ところで、最近「脳力」を落とさぬために、心がけていることがもう一つ。
良くありますよね、「ほら、何だっけ、ここまで出てるのに~」と、「話題の何か」の名前が思い出せないこと。
たとえば、
「ほら、「どこにいてもつかまるように ポケベル持ったわ」とか歌ってた、テレビにほとんど出なかった女性シンガーは」
答え:大黒摩季
「ええっと、ニセ有栖川披露宴に石田純一ともう一人、出席したタレントは」
答え:エスパー伊東
など、まあ思い出したからどうなる、ってものでもない(失礼!)名前を思い出すまで考え続ける、これ以外と面倒なことなんですが、思い出した時の「ブラボー」感はけっこうクセになります。
で、今現在「ここまで出てるのに~」思い出せないのが湾岸戦争のアメリカ作戦司令、国務長官も務めたIQの高い人、もう3日もウンウン悩んでいるのです。